見慣れた光景
横並びで一斉におじぎする、こんなシーンをテレビなどで見かけた人は多いのではないでしょうか。
いつのころから始まったのか、「謝罪会見」というらしい。
おじぎの仕方を練習するところもあると聞きます。
正直こんなこと意味あるんかい、と見ていました。
でもこのおじぎ、最近ちょっと違う印象持ちました。
突然の出来事
上司に木刀で脅されその日のうちに退職した被害者が、パワーハラスメントを追及して開催された団体交渉に初めて出席した時のことでした。
淡々と団体交渉が進んだので、組合側から「会社はこの被害者にまず謝らなければならないのでは」と指摘があがりました。
すると出席していた会社の四人の交渉員が、一斉に立ち上がり「申し訳ありませんでした」と「おじぎ」、イヤ頭を下げたのです。
身体のインパクト
会社はそれまでの団体交渉でパワーハラスメントの責任を認め、すでに文書で謝罪をしていました。そして団体交渉はパワハラを被った被害者への補償条件の話し合いに移っていました。
だから、立ち上がって頭を下げる、まで合意して会社がこの団体交渉に出席したわけではないでしょう。
「まず謝罪を」と要求した組合側交渉員(私ですが)も被害者面前での謝罪を求めたものの、口頭程度を想定していました。
変わる心象
一斉に下げられた四つの頭を見て、やはりその会社に対する心象に変調を来したのは否定できません。
眼前での身体表現はそれなりのものであり、交渉の場で相手に一枚上手を取られました。
直接被害を受けた組合員がどう評価したかは知りませんが。