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西成分会外伝 (by泊さん)その2 日々の暮らしはいやでもやってくるけど

ある日の朝西成労働センター、西成分会が机を出し機関紙「大阪城」で宣伝活動。

泊さんは西成分会の机のほうを少し離れたところからずっと見ている男に気が付きました。

それはこんな人。

誰だか分からないでしょう、泊さんも分からなかったそうです。

「大阪城」配布が終わりかけた7時前、男が声をかけてきたそうです。

泊さんが名前を聞くと「岡本や」とだけ答えました。泊さんはやっぱり分からなかったそうですが。

岡本曰く「あんたこのビラな、一枚で一万人の人を動かせる。でもそうなってない」

それ以上は言わなかったが「わしは分かる」「指南したろうか」「見てられへん」とでも言いたげな雰囲気だったそうです。

この人は後に泊さんがテレビで見かけて「あれこの人」と思った「岡本おさみ」です。

といわれてもまだ皆さん分からんでしょう。で

これなら分かる、森進一が昭和49年紅白歌合戦オオトリで「日々の暮らしはいやでもやってくるけど静かに笑ってしまおう」と絶唱、レコード大賞獲得した「襟裳岬」の作詞家「岡本おさみ」だったのです。

ついでにこの「襟裳岬」を作曲したのは

吉田拓郎でした。

しばらく話した泊さんは次の予定があり帰ろうとすると、岡本は「帰るんか」と心外そうに言ったということです。

西成分会の宣伝活動には有名、無名のいろんな人たちが現れ、論争を吹っ掛けたり、ただ単に、だべったりしていたそうで、泊さんは岡本もそのような一人だと思っていました。「もうちょっと話してもよかったかな」と今も思うそうです。

泊さんは森進一「襟裳岬」がなんといってもグッと来る、同じく岡本おさみ作詞、吉田拓郎作曲「落陽」もなかなか気に入ってるそうですが。

私は岡本作詞、吉田拓郎作曲、桑江知子がカバーしてる「真夜中のドライバー」もええんちゃう、と思うんです。

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